紅白粉
べにおしろい
名詞
標準
makeup
文例 · 用例
……抱妓が五人と分が二人、雛妓が二人、それと台所と婢の同勢、蜀山兀として阿房宮、富士の霞に日の出の勢、紅白粉が小溝に溢れて、羽目から友染がはみ出すばかり、芳町の前の住居が、手狭となって、ここに鏡台の月を移して、花の島田を纏めたものが。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 身動ぎもせず聞き澄んだ散策子の茫然とした目の前へ、紅白粉の烈しい流が眩い日の光で渦いて、くるくると廻っていた。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
土地の人は女の因縁から、頭髪の縮れている者は櫛をあげ、顔面に腫物の出た者は、紅白粉を収めて祈願をすることになっているが、それが験があると云われている。
— 田中貢太郎 『鮭の祟』 青空文庫
見ればかれらは紅白粉をつけて、その艶容は娼婦の如くであるのみか、その内服は真っ紅で、下飾りもまた紅かった。
— 異聞総録・其他 『中国怪奇小説集』 青空文庫
しかしおなじ紅白粉をつかっても、上手と下手とでは、たいへん違います。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
松原がつづく、海も空も日本晴、秋――日本の秋、道そいの畑には豌豆がだいぶ伸びている、浜おもとがよく茂っている、南国らしい、今日は数人のおへんろさんと行き逢ったが、紅白粉をつけた尼さんは珍らしかった、何だか道化役者めいていた、このあたりには薄化粧した女はめったに見あたらないのに。
— 種田山頭火 『四国遍路日記』 青空文庫
昔|内佛の安置してあつたこの室は、この家へ女氣が入るやうになつてから、納戸に用ゐられて、紅白粉の匂ひで一杯になつてゐるが、竹丸の怖々覗いた時、修驗者の姿は見えないで、母がただ一人衣裳箪笥の前に坐つてゐた。
— 上司小劍 『天滿宮』 青空文庫
お文と源太郎とは、人込みの中を抜けて、褄を取つて行く紅白粉の濃い女や、萌黄の風呂敷に箱らしい四角なものを包んだのを掲げた女やに摩れ違ひながら、千日前の方へ曲つた。
— 上司小剣 『鱧の皮』 青空文庫
作例 · 標準
歌舞伎役者が鏡の前で、真剣な表情で紅白粉を塗り重ねて役の顔を作り上げていく。
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昔の化粧道具箱からは、ほのかに甘い紅白粉の香りが漂ってきた。
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舞妓さんのおしろいと紅のコントラストが、夜の街灯に照らされて美しく際立っていた。
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