寂とした
じゃくとした異読 せきとした
形容詞-語幹
標準
still
文例 · 用例
菜の花や昼ひとしきり海の音 前と同様、南国風景の一であり、閑寂とした漁村の白昼時を思わせる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
再び寂としたれば、ソと身うごきして、足をのべ、板めに手をかけて眼ばかりと思う顔少し差出だして、外の方をうかがうに、何ごともあらざりければ、やや落着きたり。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
蝉がその単調な眠そうな声で鳴いている、寂とした日の光がじりじりと照りつけて、今しもこの古い士族屋敷は眠ったように静かである。
— 国木田独歩 『河霧』 青空文庫
寂としたもんですね、どうでしょう、この閑さは……」 頂の松の中では、頻に目白が囀るのである。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
正午頃の大ホテル、秋冷かに寂とした中へ、此の騷々しさ。
— 泉鏡太郎 『人參』 青空文庫
――お客の言うことを聞かぬ言うて、陸で悪くば海で稼げって、崕の下の船着から、夜になると、男衆に捉えられて、小船に積まれて海へ出て、月があっても、島の蔭の暗い処を、危いなあ、ひやひやする、木の葉のように浮いて歩行いて、寂とした海の上で……悲しい唄を唄います。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
それで妙に氣が頽れて些とも氣が引ツ立たぬ處へ寂とした家の裡から、ギコ/\、バイヲリンを引ツ擦る響が起る。
— 三島霜川 『青い顏』 青空文庫
再び寂としたれば、ソと身うごきして、足をのべ、板めに手をかけて眼ばかりと思ふ顔少し差出だして、外の方をうかがふに、何ごともあらざりければ、やや落着きたり。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫
作例 · 標準
冬の湖畔は、寂とした静けさに包まれていた。
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