虫眼
むしめ
名詞
標準
文例 · 用例
大きいのでせいぜい二、三|分四方、小さいのは虫眼鏡ででも見なければならないような色紙の片が漉き込まれているのである。
— 寺田寅彦 『浅草紙』 青空文庫
何なら虫眼鏡で一遍ずつ覗かせるのもいいかもしれない。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
此方ではツァイスの顕微鏡を要求しているのに露店で売っている虫眼鏡をよこして「見える」「見える」と云って主張するようなものである。
— 寺田寅彦 『ラジオ雑感』 青空文庫
こわれた虫眼鏡が把手をつけただけでたちまちにして顕微鏡になったようなものである。
— 寺田寅彦 『ラジオ雑感』 青空文庫
人殺しの罪人でさえも官費で弁護士がつけられる世の中に、効はあっても罪のない論文提出者は八方から虫眼鏡で瑕を捜され叱責されることになるのである。
— 寺田寅彦 『学位について』 青空文庫
美術批評家でも何でもない自分等は、そういう第一印象を無視して無理に職務的に理論的に一つ一つの絵の鑑賞点を虫眼鏡で掘り出す気にはどうにもなれないのである。
— 寺田寅彦 『二科展院展急行瞥見記』 青空文庫
で、何の事はない、虫眼鏡で赤蟻の行列を山へ投懸けて視めるようだ。
— 泉鏡花 『朱日記』 青空文庫
両親の居間の襖をするするあけて、敷居のうえに佇立すると、虫眼鏡で新聞の政治面を低く音読している父も、そのかたわらで裁縫をしている母も、顔つきを変えて立ちあがる。
— 太宰治 『玩具』 青空文庫