押し鎮める
おししずめる
動詞
標準
文例 · 用例
燃えるやうな私の情を押し鎮めるには冷かな理性の力が余りに微弱であつた。
— 森鴎外 『津下四郎左衛門』 青空文庫
」と、師冬の薄い口髭は怪しくふるえたが、その興奮する神経を努めて押し鎮めるようにしずかに言った。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
」 これは実際さうあるべきはずのことで、現に私なども好きな詩を読み耽ることによつて、どれたけ焦立つ自分の気をなごやかにし、ひいては病気を快くしたとまではいひ得ないにしても、病気から来る時々の発作の不気味さを押し鎮めることが出来たかわからない。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
……と……やがて正木博士が、全身の戦慄を押し鎮めるべく、一層烈しく戦慄しながら、物凄い努力を初めた。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
どっちにしても相手は大きいぞ……と逸る心を押し鎮めるべく敷島を一本|啣えながら公園の中にある自働電話に駈け込んで、警視庁に電話をかけて赤原警部を呼び出した。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
太陽と、蒼空と、雲の間を、ヒトリポッチで飛んで行く感激の涙が……それを押し鎮めるべく私は、眼鏡の中で二三度パチパチと瞬きをした。
— 夢野久作 『怪夢』 青空文庫