尊奉
そんぽう
名詞
標準
文例 · 用例
徳川家茂「右は、先ごろ上洛後、天朝より仰せ下されたる御趣意のほどもこれあり候ところ、表には勅命尊奉の姿にて、始終|虚喝を事とし、言を左右によせて万端因循にうち過ぎ、外夷拒絶談判の期限等にいたるまで叡聞を欺きたてまつる。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
外国商売の事あり、内国物産の事あり、開墾の事あり、運送の事あり、大なるは豪商の会社より、小なるは人力車挽の仲間にいたるまで、おのおのその政を施行して自家の政体を尊奉せざる者なし。
— 福沢諭吉 『学者安心論』 青空文庫
尤、此期に入つて、記録類が殖えて来たからではあるが、私は前期王朝のまだ其々の伝承に、信仰的根拠の記憶せられ尊奉せられてゐた時代の、固定しきらない俤が窺ひたいのである。
— 折口信夫 『貴種誕生と産湯の信仰と』 青空文庫
六十歳の、またこれよりも、もっと年取ったものの言に聴いて、神秘主義を尊奉するに至っては、その存在理由を失うのは明である。
— 桐生悠々 『科学的新聞記者』 青空文庫
曰く、「この事件が自由主義者を喜ばしめ、既成政党の台頭を促す等々の不快なる諸影響は、抑々末稍なり、皇軍の皇軍たる所以は軍人勅諭の大精神を身を以て尊奉する処にあり、……上に対しては皇軍の忠誠、下に対しては皇軍の威信、正に是処に潰えんとす。
— 戸坂潤 『現代日本の思想対立』 青空文庫
將來 h の眞相を摘抉するものこそ第二のプランクと稱すべく恰もマツクスウエルを第二のニウトンとして尊奉するが如くなるであろう。
— 長岡半太郎 『プランク先生の憶い出』 青空文庫
平生水戸学派の諸書を愛読し、就中『靖献遺言』を尊奉し、毛利侯よりも「尊攘の大義を確守し……」の廉を以て賞賜を受けたり。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
しかもこの際彼らの意識に上る唯一のものは、三宝を尊奉するという漠然たる敬虔の念であったに相違ない。
— 和辻哲郎 『偶像崇拝の心理』 青空文庫