臣礼
しんれい
名詞
標準
文例 · 用例
五節の弟で若君にも丁寧に臣礼を取ってくる惟光の子に、ある日逢った若君は平生以上に親しく話してやったあとで言った。
— 乙女 『源氏物語』 青空文庫
また大納言が臣礼をもって奉仕しようというのは親切な男というべきだが、さてそれに許してやる気にはちょっとなれない。
— 若菜(上) 『源氏物語』 青空文庫
その大きなすばらしい光景を富士皇帝といふ字面であらはし駿河湾の大波小波がその前に臣礼を取る形の歌を作つたことがあるが、この歌ではそんなわざとらしい言葉も使はず、正しく叙しただけで私の言はうとしたと同じ心持がよくあらはれてゐる。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
然れども襄は臣礼を取りて日野氏に事へざりき。
— 山路愛山 『頼襄を論ず』 青空文庫
朝日の豊さか登りに、神礼、臣礼自御祷の神宝献らくと奏す。
— ――語尾「し」の発生―― 『形容詞の論』 青空文庫
さはいえ、乗鞍や槍の二喬岳を除けば、皆前衛後衛となって、恭しく臣礼を取っているにすぎぬ。
— 鵜殿正雄 『穂高岳槍ヶ岳縦走記』 青空文庫
良持は、生前から、何事につけ、藤氏の門に、臣礼を執り、彼の擁する東国の私田の事務でも勤めたがっていた男だからであった。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
そのもっとも偉なのは、上洛朝拝の臣礼を、彼のみは怠らずにいることである。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫