押鮨
おしずし
名詞
標準
文例 · 用例
ともよの父親である鮨屋の亭主は、ときには仕事場から土間へ降りて来て、黒みがかった押鮨を盛った皿を常連のまん中のテーブルに置く。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
それは塩さんまを使った押鮨で、おからを使って程よく塩と脂を抜いて、押鮨にしたのであった。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
第四十四 肥前の押鮨 鮨と申せば普通の海苔巻や五目鮨は夏の巻の本文に委しく出ておりますからここには変ったものを出しましょう。
— 秋の巻 『食道楽』 青空文庫
肥前風の押鮨と申すのはなかなか結構なものです。
— 秋の巻 『食道楽』 青空文庫
みやこずしは、それらのものゝことにすると、いさゝかそこに横題ものゝかたちを持つてゐる、嘗ては鯖の押鮨を以て聞えた店ださうである。
— 久保田万太郎 『浅草の喰べもの』 青空文庫
雨の中を黒河内に着いて、孰れも農家らしい構えに、昼食する宿があるかと心配したが、飲食店の看板をかけたそれらしくもない家があったので、試に昼食はあるかと尋ねて見た、有るという、早速注文すると、持って来たのは押鮨に使うような四角な木箱で、ぎっしり蓋がしてある。
— 木暮理太郎 『木曾駒と甲斐駒』 青空文庫
北陸地方では、すしといえば、たいてい押しずしであって、江戸風の握りずしは、近年になって、はいってきたものである。
— 中谷宇吉郎 『かぶらずし』 青空文庫
いいえ、野暮な話だが、大阪の押しずし、蒸しずし(ぬくずし)なんかも、好きだ。
— 古川緑波 『うどんのお化け』 青空文庫