金銭ずく
きんせんずく異読 きんせんづく
名詞多音語
標準
using money as a weapon
文例 · 用例
「しかし、神ごとだというんだから、今の雲助とは訳が違って、金銭ずくでは仕方がない、じゃ、これで別れるよ。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
」 六十一「そこでお前さん、何だって、世帯をお仕舞えなさるんだか、金銭ずくなら、こちとらが無尽をしたって、此家の御夫婦に夜遁げなんぞさせるんじゃねえ、と一番しみったれた服装をして、銭の無さそうな豆腐屋が言わあ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
もう金銭ずくじゃないんです。
— 平林初之輔 『アパートの殺人』 青空文庫
町人に生まれ、折から興隆期にある町人文化の代表者として、西鶴は談林派の自在性、その芸術感想の日常性を懐疑なく駆使して、当時の世相万端、投機、分散、夜逃げ、金銭ずくの縁組みから月ぎめの妾の境遇に到るまでを、写実的な俳諧で風俗描写している。
— 宮本百合子 『芭蕉について』 青空文庫
にもかかわらず、べつに愛国の真情からでなく、ただ金銭ずくで、雇われて定業的スパイに従事するほどの性格だから、先天的|嘘言家だったに相違ない。
— 牧逸馬 『戦雲を駆る女怪』 青空文庫
「まあ、わたしのような昔者から見ると、もともと宿場と助郷は金銭ずくの関係じゃありませんでしたよ。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
いつの時代にでも、文学を愛し、それを生もうとする者は、金銭ずくではない。
— ――著作家組合にふれて―― 『作家への新風』 青空文庫
併し、雲山氏の場合は、不幸にして、それが金銭ずくでは所有出来ない国宝中の国宝だったのです。
— 江戸川乱歩 『黄金仮面』 青空文庫