便壺
べんつぼ異読 べんこ
名詞
標準
night-soil vault
文例 · 用例
それから少しきたない話ではあるが、昔|田舎の家には普通に見られた三和土製円筒形の小便壺の内側の壁に尿の塩分が晶出して針状に密生しているのが見られたが、あれを見るときもやはり同様に軽い悪寒と耳の周囲の皮膚のしびれを感ずるのであった。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
裏の子供が便所に落ちたといつて騒いでゐる、私にもさういふ思出がある、幼いとき馬の小便壺に落ちたのである。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
故宅と言えば風流なれど、今は郵便局の横町にある上、入口に君子自重の小便壺あるは没風流も亦甚し。
— 芥川龍之介 『北京日記抄』 青空文庫
単に理想としてはユートピアに書いてある様に、小便壺や罪人の鎖を黄金で造つて、世人に黄金を卑む癖を生ぜしめやうと考へるのも勝手であるが、実際に行はれぬ様な理想ならば何の役にも立たぬ。
— 丘浅次郎 『人類の誇大狂』 青空文庫
しかし、にんじんは、寝台の下に、小便壺が置いてないことを知っている。
— POIL DE CAROTTE 『にんじん』 青空文庫
ある夜、あのひどく庶民的な小便壺の音の聞えて来る書斎で、私は胸をときめかしつつ、「歎異鈔」を開いた。
— 外村繁 『澪標』 青空文庫
小便の海を渉り歩いて小便壺まで辿りつかねばならぬような時もあった。
— 坂口安吾 『日本文化私観』 青空文庫
作例 · 標準
昔の農家では、トイレの下にある便壺に溜まった排泄物を汲み出して畑の肥料として活用していた。
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祖父の家はまだボットン便所で、夏場になると便壺から立ち上る強烈な臭いにいつも鼻を摘んでいた。
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誤って便壺に落としてしまった携帯電話は、当然ながら二度と戻ってくることはなかった。
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