送
送
名詞
標準
文例 · 用例
只予の性質として人の子とあるものが只自己一身の功業にのみ腐心するは不都合である、両親を見送っての後ならば、如何なることを為すとも自己の一身は自己の随意に任せてよいが、父母猶存する間は父母と自分との関係を忘れてはならぬ。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
承知しながらもとうとう長居になって夕飯をもてなされ七時頃にいとまもうした附記是は赤木格堂が為に先生の病情を見のまま記して送れるなり明治参拾四年二月十五日明治34年3月『俳星』署名 伊藤左千夫
— 伊藤左千夫 『根岸庵訪問の記』 青空文庫
自分はお松の手を離れて、庭先へ駈け出してから、一寸振りかえって見たら、お松は軒口に立って自分を見送ってたらしかった。
— 伊藤左千夫 『守の家』 青空文庫
そうして自分を村境までおぶって送ってくれた。
— 伊藤左千夫 『守の家』 青空文庫
自分も其時悲しかったことと、お松が寂しい顔をうなだれて、泣き泣き自分を村境まで送ってきた事が忘れられなかった。
— 伊藤左千夫 『守の家』 青空文庫
焜炉の火に煙草をすっていて、自分と等しく奈々子の後ろ姿を見送った妻は、「奈々ちゃんはね、あなた、きのうから覚えてわたい、わたいっていいますよ」「そうか、うむ」 答えた自分も妻も同じように、愛の笑いがおのずから顔に動いた。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
船で河から市川へ出るつもりだから、十七日の朝、小雨の降るのに、一切の持物をカバン一個につめ込み民子とお増に送られて矢切の渡へ降りた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
一口まぜに、民子は私が殺した様なものだ、とばかりいって居て、市川へ置いたではどうなるか知れぬという訣から、昨日車で家へ送られてきたのだ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫