思入れ
おもいれ
名詞
標準
文例 · 用例
早うこの首うって三井寺へ駆けつけさっしゃれ』(片膝つき右の手で頸を叩く)源右衛門(深い思入れ)『それじゃ、そなたは何もかも、承知の上での旅立ちか』源兵衛『きのう一同会所で相談。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
」 と口説くように言含むる、あのナンノが依頼なれば、秀は嬉しき思入れ、「しかし可うございますかね。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
が、併し此の考は自己に取つては決して良い考では無くつて、如何に達觀して悟つたやうな事を思つたからとて、そんなら明日から世外の人となれるかと云ふに、然樣はなれぬといふのなら、矢張り正直に筋書に從つて、同じ感慨、同じ希望、同じ思入れを爲た方が宜いのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
花道は子供等の群に占領せられて居て、揚幕があいて松前五郎兵衞の女房が出て來ると途中で思入れをする場所を作る爲めに、小さい聲で先づ子供等を叱らなければならぬ。
— 木下杢太郎 『海郷風物記』 青空文庫
(高田は笑いながら中二と再び顔を見合わせ、とても云っても無駄だという思入れ。
— 岡本綺堂 『青蛙神』 青空文庫
和吉 その手負いの台詞まわしや思入れが稽古の時よりよっぽど念入りだとは思いましたが、ふだんから芝居上手の若旦那のことでございますから、大勢の見物を前に控えて、一倍気を入れてやっているのかと思って居りますと、どうもそれがだんだんおかしくなって来るので、わたくし達も不思議に思いました。
— 岡本綺堂 『勘平の死』 青空文庫
お供しましょう」 ずるそうな青年は、ああ手帳を持って来ればよかったという思入れ、すぐに老人のあとに付いてゆく。
— 広重と河獺 『半七捕物帳』 青空文庫
続いて舞台がまわると甘木柳仙自宅の場で、等々力久蔵が柳仙夫婦から娘の三枝を借受け、それとなく三枝に左様ならを云わせ、思入れよろしくあって退場する。
— 夢野久作 『二重心臓』 青空文庫