工品
こうひん
名詞
標準
文例 · 用例
だから稈は藁細工品としては使ひものにならぬといふことだ。
— 島木健作 『東旭川村にて』 青空文庫
近い内にどこかでかういふ手工品の陳列会があるのへ、夏のテイブルかけを十枚ばかり出品するのだと仰つて、もうこなひだから色んな柄を図案して慰み半分に縫つてお出でになるのであつた。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
だから私は今、七宝を鏤めた等々と誌してしまつたが、それにはカツコを附して述さなければ当らぬ態の、何も彼も絵具と色糸との加工品である――実際、あたりの夜気は、上着も外套も持たなかつた私達には稍薄ら寒かつたので、そんなマントも相当の必要物となつたわけであつた。
— 牧野信一 『ゾイラス』 青空文庫
その中には、印度の仏像や、支那の古器や、南洋土人の手工品や、アフリカの食人種の部落からとってきた頭蓋骨などもあるといった具合。
— 平林初之輔 『ホオムズの探偵法』 青空文庫
彼の恩を忘れぬ人間たちは、霜の花で飾られたこの小船にハイムダルの亡骸を収め、それに様々な高貴な鉄工品や金銀細工を満載した。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
もしも、人間の手工品ででもあったなら、百貨店やカフェーの紙の桜であるならば、全く一日も嵐の中には立っていられまい。
— 大切な雰囲気 『大切な雰囲気』 青空文庫
出来上りがいかにもおそるべき手工品ですけれども、作りかたには叶っているのよ。
— 一九四四年(昭和十九年) 『獄中への手紙』 青空文庫
ホテルを出てウィーンの街を歩くにつれ、目につく鞣細工品の店のあれからこれへと丹念に飾窓を見くらべた。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫