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落ち行く

おちゆく
動詞
1
標準
文例 · 用例
ああ、人間に恐れをなして、其処から、川筋を乗って海へ落ち行くよ、と思う、と違う。
泉鏡花 海の使者 青空文庫
その瞬間、自分の落ち行く道が決定せられたように、後年に到って、そんな気がしてなりません。
太宰治 人間失格 青空文庫
「流れ流れてエ、落ち行く先はア、北はシベリヤ、南はジャバよ……」 というその曲が、もう五十近い他吉の耳にもそこはかとなく物悲しかった。
織田作之助 わが町 青空文庫
「流れ流れてェ、落ち行く先はァ、北はシベリヤ、南はジャバよ……」というその曲が、もう五十近い他吉の耳にも、そこはかとなく物悲しく、賑かな場所で泣かすまいと、わざとそんな場所をえらんで連れて来て、手紙を見せる、その前から、もう他吉は涙が出て来た。
織田作之助 わが町 青空文庫
また振返って見れば、山の裾と中空との間に挟まって、宙に描かれた遠里の果なる海の上に、落ち行く日の紅のかがみに映って、そこに蟠った雲の峰は、海月が白く浮べる風情。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
両国橋の落ちたる話も、まず聞いて耳に響くはあわれなる女の声の――人雪頽を打って大川の橋杭を落ち行く状を思うより前に――何となく今も遥かに本所の方へ末を曳いて消え行く心地す。
泉鏡花 遠野の奇聞 青空文庫
葉子の意志はいかに手を延ばしても、もう心の落ち行く深みには届きかねた。
有島武郎 或る女 青空文庫
其と同時に竊に落ち行く草履の音が勘次の耳に響いた。
長塚節 青空文庫
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