寒竹
かんちく異読 カンチク
名詞
標準
marbled bamboo (Chimonobambusa marmorea)
文例 · 用例
黄昏に袖無を羽織って母上と裏の垣で寒竹筍を抜きながらも絵の事を思っていた。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
薄暗いランプの光で寒竹の皮をむきながら美しい絵を思い浮べて、淋しい母の横顔を見ていたら急に心細いような気が胸に吹き入って睫毛に涙がにじんだ。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
その頃のわが家を想い出してみると、暗いランプに照らされた煤けた台所で寒竹の皮を剥いている寒そうな母の姿や、茶の間で糸車を廻わしている白髪の祖母の袖無羽織の姿が浮び、そうして井戸端から高らかに響いて来る身に沁むような蟋蟀の声を聞く想いがするのである。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
その一つは寒竹の筍である。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
高知近傍には寒竹の垣根が多い。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
年取った祖母と幼い自分とで宅の垣根をせせり歩いてそうけ(笊)に一杯の寒竹を採るのは容易であった。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
自分の五歳の頃から五年ほどの間熊本|鎮台に赴任したきり一度も帰らなかった父の留守の淋しさ、おそらくその当時は自覚しなかった淋しさが、不思議にもこの燈下の寒竹の記憶と共に、はっきりした意識となって甦って来るのである。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
今ではたいていの田園の産物もデパートの陳列棚で見られるのであるが、それでもまだ楊梅や寒竹の筍は見られない。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
作例 · 標準
庭の片隅に植えた寒竹が、冬の寒さの中でも青々とした細い葉を揺らしている。
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「この寒竹の節の模様、独特で面白いよね。工芸品に使われるのも納得だわ」
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叔父は趣味の釣竿を作るために、質の良い寒竹をわざわざ取り寄せている。
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茶庭の生け垣として寒竹を植えたら、冬の間も風情のある景色になった。
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