あんぐり
あんぐり異読 アングリ
副詞形容詞-語幹
標準
open-mouthed
文例 · 用例
高い木のてっぺんで百舌鳥が鳴いているのを見ると、六蔵は口をあんぐりあけて、じっとながめています。
— 国木田独歩 『春の鳥』 青空文庫
足は忘れたか投出した、腰がなくば暖簾を立てたように畳まれそうな、年紀がそれでいて二十二三、口をあんぐりやった上唇で巻込めよう、鼻の低さ、出額。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
目の光の晃々と冴えたに似ず、あんぐりと口を開けて、厚い下唇を垂れたのが、別に見るものもない茶店の世帯を、きょろきょろと※していたのがあって――お百姓に、船頭殿は稼ぎ時、土方人足も働き盛り、日脚の八ツさがりをその体は、いずれ界隈の怠惰ものと見たばかり。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
若い男が倒れていてな、……川向うの新地帰りで、――小母さんもちょっと見知っている、ちとたりないほどの色男なんだ――それが……医師も駆附けて、身体を検べると、あんぐり開けた、口一杯に、紅絹の糠袋……」「…………」「糠袋を頬張って、それが咽喉に詰って、息が塞って死んだのだ。
— 泉鏡花 『絵本の春』 青空文庫
足は忘れたか投出した、腰がなくば暖簾を立てたやうに畳まれさうな、年紀が其で居て二十二三、口をあんぐりやつた上唇で巻込めやう、鼻の低さ、出額。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
納戸へ通口らしい、浅間な柱に、肌襦袢ばかりを着た、胡麻塩頭の亭主が、売溜の銭箱の蓋を圧えざまに、仰向けに凭れて、あんぐりと口を開けた。
— 泉鏡花 『瓜の涙』 青空文庫
生々と血の垂れ滲み出ているその傷口が、袴の外から何物かに、あんぐりと噛み切られでもしたかのような形をしていましたので、主水之介の目の鋭く光ったのは当然でした。
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
子犬ほどもあろうと思われるまっくろな黒ねこが、女の首を、いや、首ではない、女の髪の毛を、それも島田に結ったままの髪の毛を、あんぐりと、その口にくわえながら、牙をむかんばかりのものすごい形相で、らんらんと両眼を光らしていたからです。
— 京人形大尽 『右門捕物帖』 青空文庫
作例 · 標準
あんぐり口を開けて驚いた。
あんぐり開いた口が塞がらない。
あんぐり口を開けてぼんやり見つめた。
あんぐり開いた顔は間抜けに見える。