老松
おいまつ
名詞
標準
Oimatsu (noh play)
文例 · 用例
右は畑、左は堤の上を一列に老松並ぶ真直の道をなかば来たりし時、行先をゆくものあり。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
私なぞも物心地が附いてからは、日がな一日、婆様の老松やら浅間やらの咽び泣くような哀調のなかにうっとりしているときがままございました程で、世間様から隠居芸者とはやされ、婆様御自身もそれをお耳にしては美しくお笑いになって居られたようでございました。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
目も及ばざる広庭の荒たきままに荒果てて、老松古杉蔭暗く、花無き草ども生茂りて踏むべき路も分難し、崩れたる築山あり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
門長屋の兵六老爺、大手を開けに朝|疾く起出でて、眼と鼻を摩りながら、御家の万代を表して、千歳の翠濃かなる老松の下を通りかかれば、朝霜解けた枝より、ぽたり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
背後で水車のごとく杖を振廻していた訓導が、「長蛇を逸すか、」 と元気づいて、高らかに、「たちまち見る大蛇の路に当って横わるを、剣を抜いて斬らんと欲すれば老松の影!
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
姐さん株の福太郎と春次が長唄の地方でお酌が老松を踊ると、今度は小稲が同じ地方で清元の春景色を踊るのだったが、酒がまわり席のやや紊れた時分になって、自称女子大出の染福が、ヘベれけになって現われ、初めから計画的に酒を呷って来たものらしく、いきなり若林の傍に坐っている銀子の晴子に絡んで来るのだった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
姐さん株の福太郎と春次が長唄の地方でお酌が老松を踊ると、今度は小稲が同じ地方で清元の春景色を踊るのだったが、酒がまわり席のやや紊れた時分になって、自称女子大出の染福が、へべれけになって現われ、初めから計画的に酒を呷って来たものらしく、いきなり若林の傍に坐っている銀子の晴子に絡んで来るのだった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
宗右衛門には久しぶりに来て見たこの仰々しい山門が、背景をなす寺の前庭の寂びを含んだ老松の枝の古色に何となくそぐはなく見えるのであつた。
— 岡本かの子 『老主の一時期』 青空文庫
作例 · 標準
例句
ウィキペディア曖昧さ回避
老松(おいまつ)は、長い年月を経たマツ。転じて、人物や組織の末永い繁栄を願う象徴。
楽曲・演目
- 老松 (能) — 能、謡曲の演目。
- 老松 (長唄) — 長唄の曲目のひとつ。
- 地歌、箏曲の楽曲。京流手事物。文政頃、京都の菊岡検校により作曲された長歌ものの曲。
関連項目
出典: 老松 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0