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長道

ながみち
名詞
1
標準
文例 · 用例
長道中でもして来た時には、これが何よりですよ。
第一部上 夜明け前 青空文庫
慶応四年の五月から六月へかけて、伊勢路より京都への長道中を半蔵と共にしたその同じ思い出につながれているのも、この男である。
第二部下 夜明け前 青空文庫
独りで部屋に残って見ると、まだ岸本には船にでも揺られているような長道中の気持が失せなかった。
島崎藤村 新生 青空文庫
波二さんも、気をつけてネ……」 少年は、高いところに点いている電灯の電球を、ねじって消すために、長い竿竹の尖端を、五つほどに割って、繃帯で止めてある長道具を担ぐと、急いで駈け出していった。
海野十三 空襲葬送曲 青空文庫
「だがね、あねご」と手を揉みながら、「寮からここまでは長道中、そうフンダンに血が流れては十石あろうと足りませんや。
国枝史郎 剣侠受難 青空文庫
お城のお米倉の前坂にさしかかると、さすが剛力の大八も、日ごろの力自慢にも似あわず、車が重く地面に吸い着いたようでちっとも動かなくなり、それに主家からそこまでの長道中を一生懸命で引いてきた疲れも出て、汗が流れ呼吸がはずみ、坂の中途に荷車の梶棒を握って両足を踏ん張ったまま青くなっておりました。
佐々木喜善 東奥異聞 青空文庫
戦いに向うにしては、余り言のなさすぎる長道中に稍倦怠を感じ出した者共は、いよいよ明日、イランに入ると聞いて、俄に勢い立った。
宮本百合子 古き小画 青空文庫
君が行く道の長道を 繰り畳ね、焼き亡ぼさむ 天の火もがも(宅守相聞――万葉集巻十五)情熱の極度とも見える。
折口信夫 相聞の発達 青空文庫