箇々
箇々
名詞
標準
文例 · 用例
さて右に述べたような音韻組織は、国語の違いによって違っているばかりでなく、同じ国語に属する種々の言語、例えば各地の方言の間にも相違があるのであって、それらの言語を形づくる箇々の音韻の数も必ずしも同じでなく、一つ一つの音韻も必ずしも一致しない。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
かように箇々の音の変化によって、あるいは数を増しあるいは数を減じ、あるいは一の音が他の音になって、前代とはちがった音韻組織が生ずるのである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
既述のごとく、箇々の語のような、意味を有する言語単位の外形は、以上のような音または音韻の一つで成立つかまたは二つ以上結合して成立つものであるが、その場合に、或る音は語頭、すなわち語の最初にしか用いられないとか、または語尾、すなわち語の最後にしか用いられないとかいうようなきまりがあることがある。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
また箇々の詩派について言えば、欧洲の浪漫派や象徴派に属する詩風は、概して情緒的の音楽感を高調し、古典派や高踏派に属するものは、美術的の静観と形式美とを重視する。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
然るに理智の反省は、これを概念によって分析し、有機的な統一を無機的に換え、部分を箇々の戸棚に別け、見出しカードの抽斗を付けて索引に便利にする。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
これらの言葉の内容はもはや箇々の物件を離れて、それぞれ一つの「学」の種子になっている。
— 寺田寅彦 『言語と道具』 青空文庫
この場合に単に温度を与えても各分子箇々の運動を予報すべくもあらず。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
この場合には箇々の人間にとりての予報の実用的価値は極めて少なかるべし。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫