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来父

らいちち
名詞
1
標準
文例 · 用例
来父はおとよを愛していたのだから、今でもおとよをかわいそうと思わないことはないけれど、ちょっと片意地に陥るとわが子も何もなくなる、それで通常は決して無情酷薄な父ではないのである。
伊藤左千夫 春の潮 青空文庫
が、二三年来父の財力が、尽きてしまつて、乾分の面倒などは、少しも見てゐられなくなつてから、此の男も段々、父から遠ざかつて行つたのだ。
菊池寛 真珠夫人 青空文庫
この冬以来父の病気について先生から色々の注意を受けた私は、一番心配しなければならない地位にありながら、どういうものか、それが大して苦にならなかった。
夏目漱石 こころ 青空文庫
半月氏は例も笑ひ話しに、「僕の父は金儲と道楽が好きだつたが、性来父に及ばない僕等兄弟は父の才能を二人で分担して、兄は金儲を、僕は道楽の方を演る事に定めてゐるのだ。
大正五(一九一六)年 茶話 青空文庫
が、二三年来父の財力が、尽きてしまって、乾分の面倒などは、少しも見ていられなくなってから、此の男も段々、父から遠ざかって行ったのだ。
菊池寛 真珠夫人 青空文庫
普通の漢学者であって、大阪の藩邸に在勤してその仕事は何かというと、大阪の金持、加島屋、鴻ノ池というような者に交際して藩債の事を司どる役であるが、元来父はコンナ事が不平で堪らない。
福翁自伝 福翁自伝 青空文庫
内田太郎も前日の午後以来父が見かけることはなかった。
RED BRIDAL 赤い婚礼 青空文庫
あるものはハリーが結婚以来父親を恨んでいたから、その為に父を毒殺したのであろうと想像し、あるものは故人が金持ちであったから、看護婦が後継者の嫁になるために、老人を殺してエドナに嫌疑をかけるよう仕組んだ行為であると想像し、またあるものは、エドナがかねて舅を恨んでいたがためだと想像した。
小酒井不木 誤った鑑定 青空文庫