心慰め
こころなぐさめ
名詞
標準
文例 · 用例
わが心慰めかねつ更科や姨捨山に照る月を見て月見れば千々に物こそ悲しけれ我身ひとつの秋にはあらねど中庭地白ウシテ樹ニ鴉棲ム。
— 萩原朔太郎 『月の詩情』 青空文庫
それが、メーデーに於ける彼等の、せめてもの心慰めだった。
— 黒島傳治 『鍬と鎌の五月』 青空文庫
山に来てこよなく心慰めば慰む儘に恋しきも君 家にあつて嘗めたこの四十日程の苦しさ辛さから逃れて山に来たが、柔い若葉の山を見ては傷ついた心もすつかり慰められる、さて慰められて見ると悲しいにつけ嬉しいにつけやはり恋しいのは君である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
ただ霊山名刹を廻って修行し、心慰めたいものである」 と側近にもらされていた。
— 第五巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
何でしたっけ、……わが心なぐさめかねつ更科や 姨捨山に照る月をみて 照る月をみて慰めかねつですもの、暗いから慰められて可いわけです。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
男たちの心なぐさめに、からうたに「日を望めば都遠し」などいふなる事のさまを聞きて、ある女のよめる歌、「日をだにもあま雲ちかく見るものを都へとおもふ道のはるけさ」。
— 紀貫之 『土佐日記』 青空文庫
更級の女は其未生以前、既に一たび世に現れて、「わが心なぐさめかねつ。
— 折口信夫 『『かげろふの日記』解説』 青空文庫
それは私が自分の作品の題詞とした、古今集中のわが心なぐさめかねつさらしなやをばすて山にてる月をみて といふ讀人しらずの歌への關心である。
— 堀辰雄 『姨捨記』 青空文庫