肺癆
はいろう
名詞
標準
文例 · 用例
左肺が肺癆に罹つて大部分腐蝕してゐるのは誰れも認めてゐたが、一週間程前から右肺の中葉以上に突然起つた聽診的變調と、發熱と、腹膜肋膜の炎症とを綜合して考へて見ると粟粒結核の勃發に相違ないと堅く信じたのだ。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
肺癆に罹つてゐた左胸は右胸に比べると格段に小さくなつてひしやげてゐた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
見る見る中に胸部から腹部にかけての諸機關は個々に取除けられて、左胸部に肺癆の爲めに潰滅した肺の殘塊が咯啖樣の粘液に取りまかれて殘つてゐるのと、直腸部に填充した脱脂綿が所々血に汚れて、うねくつて露出してゐる外には何も殘らなかつた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
一六八一年に成ったフライヤーの『|東印度および波斯新話』一二三頁に、蝮酒は肺癆を治し、娼妓の疲れ痩せたるを復すといい、サウシの『随得録』四には、蝮酒は能く性欲を強くするとある。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
またこの結果としてはいろいろの病気、たとえば肺癆、癩病のようなものが起る。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
肺癆も彼らにとってはただの咳だし、赤痢は腹くだしだし、肋膜炎は風ひきなのだ。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫