槐樹
かいじゅ
名詞
標準
Japanese pagoda tree (Sophora japonica)
文例 · 用例
目は庭前の槐樹の茂みに向かってしばらくはいたが、実は何ものをも見ていなかった。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
『宋史』に〈元達かつて酔って道傍槐樹を見る、剣を抜きてこれを斬るに樹立ちどころに断つ、達ひそかに喜びて曰く、われ聞く李将軍臥虎を射て羽を飲ましむと、今樹我がために断つ豈神助か〉、『東海道名所記』等に見えた石地蔵が女に化けて旅人に斬られた話は、石橋臥波氏輯『民俗』第三報へ拙考を出し置いた。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
右に道路、左に小川、南に池、北に丘、艮の方角に槐樹のあるのは、悪気不浄を払うためらしい。
— 国枝史郎 『天主閣の音』 青空文庫
社長ネヅカイチローなる所謂 十五日の国民槐樹社展入選発表 苅田さんの死んだ弟(良策二十一)の絵が入選して居る。
— 一九二九年(昭和四年) 『日記』 青空文庫
言い伝えに拠ると、そのむかし中庭の槐樹の上に首を縊って死んだ女が一人あった。
— 魯迅 『「吶喊」原序』 青空文庫
現在槐樹は高くなって攀じのぼることも出来ないが、部屋には人の移り住む者がない。
— 魯迅 『「吶喊」原序』 青空文庫
蒲団扇を動かして槐樹の下に坐り、茂り葉の隙間から、あの一つ一つの青空を見ていると、晩手の槐蚕がいつもひいやりの頸首の上に落ちる。
— 魯迅 『「吶喊」原序』 青空文庫
やがて自動車がそれと覚しき槐樹の植込みの茂った前庭付きの立派な洋館の前へ止ると、私は家を見上げ見下ろし、今更のごとく佇まざるを得なかった。
— 橘外男 『ナリン殿下への回想』 青空文庫