銀行預金
ぎんこうよきん
名詞
標準
bank deposit
文例 · 用例
これは後になって解ったことだが、葛飾は親譲りの銀行預金だけで不自由なく暮して行ける身分である。
— 渡辺温 『遺書に就て』 青空文庫
今年の初め、母が少し愚痴っぽくなったので、新子がおかしく思って、母に迫って家の経済状態を根掘り葉掘り問い質してみると、父が勤めていた会社の株が五十ばかりのほかには、銀行預金が二千円とわずかしか残っていなかった。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
銀行預金としたところで、どうせ短時日に引出してしまふのだから、ろくに利子のつく筈も無い。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫
アリス・リイヴルは、女中ながらも真面目に働いて、七十ポンドの銀行預金と家具をすこしとピアノを一台持っていた。
— 牧逸馬 『浴槽の花嫁』 青空文庫
「万事はっきりしておきたいから、聞くんですが、あんたには、だいぶ銀行預金があったはずですね。
— 豊島与志雄 『女心の強ければ』 青空文庫
」「銀行預金だの、家屋だの、出資だの、そんなことを、どうして言う必要がありますか。
— 豊島与志雄 『女心の強ければ』 青空文庫
また、彼の農場は抵当に入ったようなこともなかったから、どうみても金は残るし、銀行預金だってがっちりありそうであった。
— 坂口安吾 『“能筆ジム”』 青空文庫
年が変ると間もなく世間は銀行預金の封鎖に驚かされたが、日銭の入る労働者と露店の商人ばかりは物貨の騰貴に却て懐中都合が好くなったらしく、町の商店が日の暮れると共に戸を閉めてしまうにも係らず、空地の露店は毎夜十一時近くまで電燈をつけていた。
— 永井荷風 『にぎり飯』 青空文庫