幻辞.com

振り当て

ふりあて
名詞
1
標準
文例 · 用例
そこで、伝馬にはデッキ、カッターにはエンジンということに振り当てられた。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
時潮が私に振り当てた役割を、忠実に演じてやろうと思った。
太宰治 東京八景 青空文庫
相当に世に認められる仕事をするには、何か自分の得意とするもの、あるいは自分に振り当てられた仕事に就いて、塹壕戦のつもりで、自分の身形や他人からの悪口を気にせず、また躍り上る浮気心や他人のお世辞にのぼせ上らずに、埃だらけ泥まみれになって努力し続けなければ駄目でしょう。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫
そして同じ顔が、五日目|毎ぐらいの割に振り当てられていた。
佐左木俊郎 機関車 青空文庫
」 声高に叫ぶと同時に、敬二郎は長い鞭を浪岡の尻に振り当てた。
佐左木俊郎 恐怖城 青空文庫
古い歴史のあるこの地方のことを供奉の人々にも説き明かすような役割は何一つ彼には振り当てられなかった。
第二部下 夜明け前 青空文庫
水軍の策戦は『三国志』の赤壁をソックリそのままに踏襲したので、里見の天海たる丶大や防禦使の大角まで引っ張り出して幕下でも勤まる端役を振り当てた下ごしらえは大掛りだが、肝腎の合戦は音音が仁田山晋六の船を燔いたのが一番壮烈で、数千の兵船を焼いたというが児供の水鉄砲くらいの感じしか与えない。
内田魯庵 八犬伝談余 青空文庫
こういうところへ、南という剽軽な五十過ぎの人物が、外国での最後の知人となって現れて来たのであったから、矢代も、この偶然に振り当てられた最後の旅を幸運だと思った。
横光利一 旅愁 青空文庫