想出
そうしゅつ
名詞
標準
文例 · 用例
つまり予想出来るその型がないので、大衆の方では詩人に期待しようがものはないのである。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
但し、よく了解してさへ貰へれば、勿論色んな場合への適用も予想出来るやうには、書くつもりである。
— 中原中也 『我が詩観』 青空文庫
努力を尽しても、猶天命は俟たねばならないものだといふことを、努力の際中でも予想出来るのでなければ、努力といふことも畢竟何のための努力か分らなくなり、そんな所から美は出て来ないと思ふのだ。
— 中原中也 『詩壇への願ひ』 青空文庫
そのバケツの色彩が妙に眼について今でも想出される。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
鬼の棲家を過ぎて仙郷に入るやうな気がして昔の支那人の書いた夢のやうな物語を想出すのである。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
外套氏のいう処では、道の途中ぐらい、麓の出張った低い磧の岸に、むしろがこいの掘立小屋が三つばかり簗の崩れたようなのがあって、古俳句の――短夜や(何とかして)川手水――がそっくり想出された。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
」 夫人の想出話に対して新吉の返事がはかばかしくないので、夫人は急にこんなことを言い出した。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
彼は暴戻な肘で撃れる度に、何故かイベットの睫の煙る眼ざしを想出す。
— 岡本かの子 『ドーヴィル物語』 青空文庫