慨
がい
名詞
標準
文例 · 用例
沢瀉久孝博士をして「何デー」「何デー」「ナンデイ」「ナンデイ」「ナニヲ云ッテヤガルンデイ」、日の神の「日」という美しい言葉を持ちながら何を苦しんで「デー」などという紅毛の国のダミ言葉を使うのかと憤慨させるのも誠に道理がある。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
無極氏は、「我々がふだん苦にしていることなどはみんなつまらないことばかりなのだ」といって感慨を押え切れないように、立って部屋の内をぐるぐる歩き出した。
— 九鬼周造 『小唄のレコード』 青空文庫
」と、老優|市村羽左衛門が憤慨したのも、西欧の文人フランスが嘆いたことも、所詮は人間のために、神が万物を造ったという聖書の記事を、人間のエゴイズムに前提した苦情にすぎない。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
かうした古人の詩歌が、月に対していかに無量の感慨を寄せてゐるかも、その真闇な都会の夜に、自分はこと珍らしく知つたのである。
— 萩原朔太郎 『月の詩情』 青空文庫
そして支那の詩の多くのものが、沈痛無比な響を以て人生を慷慨悲憤していることぞ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
故に支那の文学は、昔から叙事詩的な情操に富み、詩人は常に慷慨悲憤している。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
かの幕末の志士等が作った非芸術的な慷慨詩でも、やはり漢詩としての音律美をもち、それによって吾人をエピカルに陶酔させる。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
彼の別の句愚に耐えよと窓を暗くす竹の雪 もこれとやや同想であり、生活の不遇から多少ニヒリスチックになった、悲壮な自嘲的感慨を汲むべきである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫