嬉しさ
うれしさ
名詞
標準
文例 · 用例
自分の考えた通りに苦もなく引き上げられたので児供ながらも其時の嬉しさというものはなかった。
— 伊藤左千夫 『井戸』 青空文庫
父の一昨年うせたる時も、母の去年うせたる時も、心からの介抱に夜るも帯を解き給はず、咳き入るとては背を撫で、寐がへるとては抱起しつ、三月にあまる看病を人手にかけじと思し召の嬉しさ、それのみにても我れは生涯大事にかけねばなるまじき人に、不足らしき素振のありしか。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
我れはその袖をつと捉らへて放つ事をなすまじく、母は嬉しさに物は言はれで涙のみふりこぼし給ふや、父はいかさまに為し給ふらんなど怪しき事を思ひよる。
— 樋口一葉 『あきあはせ』 青空文庫
二人は熱心に、笑ひながら、羞かみながら嬉しさうに囁いて居た。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
それから兩手を高く上げ、鳥の飛ぶやうな形をして、嬉しさうに叫びながら、町の通りを一散に走り出した。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
それから両手を高く上げ、鳥の飛ぶやうな形をして、嬉しさうに叫びながら、町の通りを一散に走り出した。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
二人は時々をかしさうに微笑んだり、嬉しさうに眼を見合せたりしてゐた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
」母は嬉しさうにそれを兄に知らせた。
— 中原中也 『耕二のこと』 青空文庫