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秘色

ひしょく
名詞
1
標準
文例 · 用例
桔梗色に濃かった木曽御嶽の頭に、朝光が這うと微明として、半熱半冷、半紅半紫を混ぜて刷く、自分は思った、宇宙間、山を待ってはじめて啓示される秘色はこれであると、噫、何ぞ紫の筑波を説かん。
小島烏水 奥常念岳の絶巓に立つ記 青空文庫
雨過天青とか秘色とかいふほどの美くしさでなく、幾らか鼠がゝつた青磁となる。
小野賢一郎 やきもの讀本 青空文庫
私はその口固い秘色もそうあろうし、そうなければならぬことを思い、酒行の別れぎわにじゃ行って来たまえ、たまに僕の話でも出るようだったら宜しく言ってくれと、言づけて劬わりたかったのだ。
室生犀星 我が愛する詩人の伝記 青空文庫
こんな折でもなかつたらその人の祕色さへ見る機會がなかつたものですから、それを取り遁がすまいといふ懸命な氣持になつたのです。
室生犀星 帆の世界 青空文庫
やはり桔梗の桔梗色、寒菊の白黄、臙脂、そのほか、千種の中に、日本人の皮膚と風土によくうつる祕色があるやうに、ぼくらには思はれる。
吉川英治 折々の記 青空文庫
日本的な祕色を、調和による頭で着こなした姿ほど、いつまで、新鮮なものはない。
吉川英治 折々の記 青空文庫