足歩
そくほ
名詞
標準
文例 · 用例
二足三足歩むほどに、をみな、あわただしげに呼ばふ。
— 萩原朔太郎 『花あやめ』 青空文庫
京子は葡萄葉形の絹絞りの寝巻の上に茶博多の伊達巻を素早く捲き、座敷のうちを三足四足歩くと窓縁の壁に劇しく顔を打ちつけた。
— ――二つの連作―― 『春』 青空文庫
ただ二人が唄う節の巧みなる、その声は湿りて重き空気にさびしき波紋をえがき、絶えてまた起こり、起こりてまた絶えつ、周囲に人影見えず、二人はわれを見たれど意にとめざるごとく、一足歩みては唄い、かくて東屋の前に立ちぬ。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
……一足歩き出すと又ひよろ/\。
— 泉鏡太郎 『廓そだち』 青空文庫
雛鳥は、むく/\と起き上って二足三足歩きかけては、よろ/\と倒れた。
— 素木しづ 『雛鳥の夢』 青空文庫
そして、ひょい/\/\と五足六足歩いたと思いますともう五、六里向うへとんでいました。
— 鈴木三重吉 『ぶくぶく長々火の目小僧』 青空文庫
動くその影にひかれて、ぴょんぴょんとおどりながら、やまがらが、ふた足み足歩いたかと思うと、せつな、意外なものが点々と畳の上に残りました。
— やまがら美人影絵 『右門捕物帖』 青空文庫
一足歩くごとに、ひゅうひゅうと云う音が心持近くなるようである。
— 森鴎外 『心中』 青空文庫