黒蜥蜴
くろとかげ
名詞
標準
文例 · 用例
濠州のジェイエリエ人伝うらく、大神ムーラムーラ創世に多く小さき黒蜥蜴を作り、諸の蜒を人間に遣わし、人死せざれと告げしめしに、このもの怠慢て途上の樹に昇り睡る。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
この年は広津柳浪の有名な「黒蜥蜴」や泉鏡花の「夜行巡査」「外科室」などが、文学史的な問題をもってあらわれた年であり、一葉も終生の代表作となった「にごりえ」を七月に「たけくらべ」を十二月にかいた年である。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
『今戸心中』、『黒蜥蜴』、『河内屋』、『亀さん』等の諸作は余の愛読して措く能はざりしものにして余は当時|紅葉眉山露伴諸家の雅俗文よりも遥に柳浪先生が対話体の小説を好みしなり。
— 永井荷風 『書かでもの記』 青空文庫
「狂言娘」は根津に「黒蜥蜴」は入谷の辺に「骨盗み」は目黒に住われたる事あるが故に出で来れるものなるべし。
— 永井荷風 『偏奇館漫録』 青空文庫
闇の中空に浮いた、巨大な白いとんがり帽子を、これは黒蜥蜴の様に見える粂さんが、頂上にぶら下った金守宮に向って這上って行くのが、活動写真の様に眺められた。
— 江戸川乱歩 『黄金仮面』 青空文庫
以上黒蜥蜴岩瀬庄兵衛様 これを読み終ると、岩瀬氏は当惑の色を浮かべて考えこんでしまった。
— 江戸川乱歩 『黒蜥蜴』 青空文庫
ウィキペディア
『黒蜥蜴』(くろとかげ)は、江戸川乱歩の長編探偵小説。および、作中に登場する女性盗賊の通称。小説は月刊誌『日の出』(新潮社)で1934年(昭和9年)1月号から12月号まで連載された。いわゆる乱歩の通俗連載長篇の一つで、宝石など「美しいもの」を狙う美貌の女賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎が対決する。端々に乱歩が本分としている「エロ・グロ」の趣向がこらされている。
出典: 黒蜥蜴 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0