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うす
名詞
1
標準
文例 · 用例
その層の一番どん底を潜って喘ぎ喘ぎ北進する汽車が横川駅を通過して氷峠の第一トンネルにかかるころには、もうこの異常高温層の表面近く浮かみ上がって、乗客はそろそろ海抜五百メートルの空気を皮膚に鼻にまた唇に感じはじめる。
寺田寅彦 浅間山麓より 青空文庫
上野の汽車最後の停車場に達すれば、氷峠の馬車に搖られ、再び汽車にて直江津に達し、海路一文字に伏木に至れば、腕車十|錢富山に赴き、四十物町を通り拔けて、町盡の杜を潛らば、洋々たる大河と共に漠々たる原野を見む。
泉鏡太郎 蛇くひ 青空文庫
――其年活けた最初の錦木は、奥州の忍の里、竜胆は熊野平氷の山岨で刈りつゝ下枝を透かした時、昼の半輪の月を裏山の峰にして、ぽかんと留まつたのが、……其の木兎で。
泉鏡花 玉川の草 青空文庫
)三人連で、軽井沢、氷のもみじを見た汽車の中に、まさしく間違うまい、これに就いた事実があって、私は、不束ながら、はじめ、淑女画報に、「革鞄の怪。
泉鏡花 唄立山心中一曲 青空文庫
氷の秋は寒かった。
泉鏡花 唄立山心中一曲 青空文庫
根上りの根の、譬えば黒い珊瑚のごとく、堆く築いて、青く白く、立浪を砕くように床の縁下へ蟠ったのが、三間四面の御堂を、組桟敷のごとく、さながら枝の上に支えていて、下蔭はたちまち、ぞくりと寒い、根の空洞に、清水があって、翠珠を湛えて湧くのが見える。
泉鏡花 神鷺之巻 青空文庫
私は佐渡と云ふ所は、上野から氷を越えて、雪の柏原、關山、直江津まはりに新潟邊から、佐渡は四十五里波の上、と見るか、聞きかするものだ、と浮りして居た。
泉鏡花 城崎を憶ふ 青空文庫
十一 斧も鑿も忘れたものが、木曾、氷、寐覚の床も、旅だか家だか差別は無い気で、何の此の山や谷を、神聖な技芸の天、芸術の地と思はう。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫