民種
みんしゅ
名詞
標準
文例 · 用例
それからアジアの民族中には虎をトテムと奉ずる者がある、例せばサカイ人に虎をトテムとするがある由(一九〇六年版スキートおよびプラグデン『巫来半島異教民種篇』)。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
ブランダ人虎を制する呪を二つスキートおよびプラグデンの『巫来半島異教民種篇』に載せた、その一つは「身を重くする呪を誦えたから虎|這う森の樹株に固着て人の頭を嫌いになれ、後脚に土重く附き前足に石重く附いて歩けぬようになれ、かく身を重くする呪を誦えたから我は七重の城に護らるる同然だ」という意である。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
道徳の府なる儒学も、平民の門を叩くことは稀なりし、高等民種の中にすら局促たる繩墨の覊絆を脱するに足るべき活気ある儒学に入ることを許さゞりしなり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
物語の類、例へば太平記、平家物語、等は高等民種の中に歓迎せられたりと雖、平民社界に迎へらるべき様なし、かるが故に彼等の内には自ら、彼等の思想に相応なる物語、小説の類生れ出でたり、加ふるに三絃の発明ありてより、凡ての趣味の調ふに於て大に平民社界を翼け、種々の俗曲なるもの発達し来れり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
斯くの如く諸般の差別より観察し来れば、平民は実に徳川氏の時代に於て大に其思想を煥発したるものにして、族制的大隔離の余を受けて、或意味に於ては高等民種に対して競争の傾きを成し来れるなり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
まことや平民と雖、もとより劣等の種類なるにあらず、社界の大傾向なる共和的思想は斯かる抑圧の間にも自然に発達し来りて、彼等の思想には高等民種に拮抗すべきものはなくとも、自ら不覊磊落なる調子を具有し、一転しては虚無的の放縦なるものとなりて、以て暗に武門の威権を嘲笑せり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
斯の理想は世上に満布したり、この理想は平民社界に拡がれり、むしろ高等民種の過半をも呑みたり、或時は通と言ひ、或時は粋といふもの、此理想に外ならざるなり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
これ即ち徳川氏の時代にありて、高等民種(武士)の文学は甚だ倫理の圏囲に縛せられて、其範囲内に生長したる主因なり。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫