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盈々

盈々
名詞
1
標準
文例 · 用例
薮畳を控えた広い平地にある紙漉場の葭簀に、温かい日がさして、楮を浸すために盈々と湛えられた水が生暖かくぬるんでいた。
徳田秋声 あらくれ 青空文庫
お島は男の手の足りないおりおりには、その一つ一つに、水を盈々汲込まなければならなかった。
徳田秋声 あらくれ 青空文庫
「おお、それは辱ない」 盈々と酒を容れたる二つの猪口は、彼等の目より高く挙げらるると斉く戞と相撃てば、紅の雫の漏るが如く流るるを、互に引くより早く一息に飲乾したり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
」 発に乗せられて貫一は思はず受ると斉く盈々注れて、下にも置れず一口附くるを見たる満枝が歓喜!
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
大きい花崗岩の臺に載つた洗面盥には、見よ/\、溢れる許り盈々と、毛程の皺さへ立てぬ秋の水が、玲瓏として銀水の如く盛つてあるではないか。
石川啄木 葬列 青空文庫
顏を洗つてから、可成音のせぬ樣に水を汲み上げて、盥の水を以前の如く清く盈々として置いて、さて彼の一片の小扇をとつて以前の如くそれに浮べた。
石川啄木 葬列 青空文庫
大きい花崗石の台に載つた洗面盥には、見よ見よ、溢れる許り盈々と、毛程の皺さへ立てぬ秋の水が、玲瓏として銀水の如く盛つてあるではないか。
石川啄木 葬列 青空文庫
顔を洗つてから、可成音のせぬ様に水を汲み上げて、盥の水を以前の如く清く盈々として置いて、さて彼の一片の小扇をとつて以前の如くそれに浮べた。
石川啄木 葬列 青空文庫