来経
らいきょう
名詞
標準
文例 · 用例
しかしあらゆる方則は元来経験的なもので前世の約束事でもなんでもない事を思い出せば素量仮説が確立した方則となりえぬという道理もない。
— 寺田寅彦 『物理学と感覚』 青空文庫
少なくもわれらは従来経験的事実の要求に応じて、物理学的概念の内容にたびたび改革あるいは修繕を施して来た。
— 寺田寅彦 『物理学と感覚』 青空文庫
したがって従来経験し尽した甲の波には衣を脱いだ蛇と同様未練もなければ残り惜しい心持もしない。
— ――明治四十四年八月和歌山において述―― 『現代日本の開化』 青空文庫
私たち総てが、この数年来経つつある酸苦と犠牲とを、新しい歴史の展開の前夜に起った大なる破産として理解し、同時にそれは生き抜くに価する苦難として照し出してゆく力こそ、悲劇においてなお高貴であり、人間らしい慰めと励ましとにみちている文学精神の本質ではないだろうか。
— 宮本百合子 『新日本文学の端緒』 青空文庫
ロンドン市の「疲れた婦人の休養所」の一つがX嬢その他数人の献金によって数年来経営されて来た。
— 宮本百合子 『ロンドン一九二九年』 青空文庫
阿波から来経――移り来て住みつい――たことを言うのだから。
— 折口信夫 『水の女』 青空文庫
前に述べかけた阿波のわなさおほそは、出雲に来経たわなさひこであり、丹波のわなさ翁・媼も、同様みぬまの信仰と、物語とを撒いて廻った神部の総名であったに違いない。
— 折口信夫 『水の女』 青空文庫
阿波から来経――移り来て住みつい――た事を言ふのだから。
— 折口信夫 『水の女』 青空文庫