協奏
きょうそう
名詞
標準
文例 · 用例
例えばヴァイオリンのE線だけによる協奏楽というものが、もしあったとしたら、丁度こんなものではないかという気がした。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
ベルリオズの「幻想交響曲」、ドビユツシイの「海」、シヨパンの「ピアノ協奏曲」、最後にお氣に入りのリストの「ハンガリイ狂想曲第六番」、近頃暫く落ち着いてレコオドを聽く暇もなかつたので今夜は少し盛り澤山だ。
— 南部修太郎 『日曜日から日曜日まで』 青空文庫
」と遊部は真面目に狼狽の色を泛べて腕の時計を一寸見てから、隣室へ一人立って行くと、軽くシューマンの協奏曲らしいものを叩いてみていた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
花の独奏はおもしろいものであるが、絵画、彫刻の協奏曲となれば、その取りあわせには人を恍惚とさせるものがある。
— 茶の本 『茶の本』 青空文庫
はじめ、ただ一本の線の上に奏せられていたアリアのような「伸子」の物語は、こうして、「二つの庭」においては、小さなクヮルテット(四重奏)となり、やがて「道標」では、コンチェルト(協奏曲)にかわってゆく。
— 宮本百合子 『あとがき(『二つの庭』)』 青空文庫
そして、オネガーの『ピアノ協奏曲』のように、またはガーシュインの『ラプソデー・イン・ブルー』のように、音楽の世界には、あけぼのがそこにその姿を現わそうとしているかのようである。
— 中井正一 『美学入門』 青空文庫
――そしてこの食欲は、ブラームスとベートーヴェンとの間に差別もつけないし、または、同じ楽匠の作品でさえあれば、空虚な協奏曲と感銘深い奏鳴曲との間に差別も設けない、なぜなら二つとも同じ捏粉でできてるから。
— JEAN CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
――もし、そこにいる人たちのうちでほんとうに音楽を感じているのは、その小さな子供一人きりだと言われたら、協奏曲をこね回してる善良な人々はさぞ驚いたであろう。
— JEAN CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫