掻き鳴らす
かきならす
動詞
標準
文例 · 用例
人の心も知らないで悠長らしく掻き鳴らす事は……ご無用!
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
そして掻き鳴らす銀の竪琴の音に魂までも打ちこんで聞き惚れていたのでござります。
— 国枝史郎 『レモンの花の咲く丘へ』 青空文庫
中には、優しくも五弦琴を掻き鳴らす者もあり、各自にいろいろな娯楽に興じたり、ハンモックの中で悠閑な眠りを貪ることも出来た。
— モーリス・ルヴェル Maurice Level 『ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海』 青空文庫
伸子は、自分の掻き鳴らす楽器の音の単調さを意識した。
— 宮本百合子 『伸子』 青空文庫
真白い指の王国は恣まな圧制を虐げの歌を掻き鳴らす、薄明りの上に輝いて裂けて死ぬ光りのなげき。
— 三富朽葉 『ピアノ』 青空文庫
そして自分達の周囲にゐるかの青白い顔付をして、猫背になつて『白魚のやうな』指先きでオチヨボ口をしながら、碌そつぽ大きな声も出し得ずに琴を掻き鳴らす姉妹等の如何にミゼラブルに見えたことよ!
— 伊藤野枝 『「婦人解放の悲劇」自序』 青空文庫
掻き鳴らすマンドリンの春の小川の甘い囁きのようなメロデイが階下から響いて来た。
— 地に潜むもの 『地上』 青空文庫
小絃は切々として、私語のように掻き鳴らすところは鳴らします。
— 無明の巻 『大菩薩峠』 青空文庫