大欠伸
おおあくび
名詞
標準
big yawn
文例 · 用例
座が白けて、しばらく言葉が途絶えたうちに所在がないので、唄うたいの太夫、退屈をしたとみえて、顔の前の行燈を吸い込むような大欠伸をしたから。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
茶の外套氏が大欠伸をして起きた。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
そのうち磯が眠そうに大欠伸をしたので、お源は垢染た煎餅布団を一枚敷いて一枚|被けて二人一緒に一個身体のようになって首を縮めて寝て了った。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
母上でも今日は大丈夫だろう」と両手を伸して大欠伸をして「何時かしらん」「最早直ぐ十二時でしょうよ。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
而して大欠伸をしながら、彼は寝乱れた労働者の間を縫って、オデッサ丸の船階子を上って行った。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
皮剥一ツ買ったってお前、三銭はするぜ、買っとくんねえ、あ、あ、あ、」 と引捻れた四角な口を、額まで闊と開けて、猪首を附元まで窘める、と見ると、仰状に大欠伸。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
」 と便所の裡で屋根へ投げた、筒抜けな大欠伸。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
煙草ももう吸い飽きて、拱いてもだらしなく、ぐったりと解ける腕組みを仕直し仕直し、がっくりと仰向いて、唇をペろぺろと舌で嘗める親仁も、蹲んだり立ったりして、色気のない大欠伸を、ああとする茜の新姐も、まんざら雨宿りばかりとは見えなかった。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫