悧発
悧発
名詞
標準
文例 · 用例
そこの給仕女に一人の悧発さうな顔をした、たいそう愛くるしい少女が居た。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
「お父さま、」と悧発そうな八つの娘が、眼をぱちくりさせて尋ねた。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
悧発そうなその優しい目には、始終涙がにじんでいるようで、狭い額際も曇っていた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
なかなか良う調べが届いとる」「その骨折りの甲斐があってか、去年の十二月に御城下でも蔵元屋に次ぐ金満家、福岡本町の呉服屋、襟半の若主人で、堅蔵で悧発者という評判の半三郎という男の嫁にという話が纏まって、結納まで立派に済んどる。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
」 悧発な少年の即答に、旅人は感心したやうに頭を振つた。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
黒い僧服の下からきりりと締った白衣の裾の見える姿で悧発な眼鼻立ちも美しかったが、矢代への挨拶も固苦しく、押し黙ったままひょこりとお辞儀をするだけだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
そぼうな扮装の、髪はぼうぼうと脂気の無い、その癖、眉の美しい、悧発そうな眼付の、何処にも憎い処の無い人でした。
— 広津柳浪 『昇降場』 青空文庫
あの悧発な『縮小人間』が予のこの危惧と殺意に気づかぬ筈はないのだ。
— 海野十三 『蠅男』 青空文庫