寂光土
じゃっこうど
名詞
標準
文例 · 用例
これを常寂光土とも極楽とも言います。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
三十九年八月 凋落寂光土、はたや、墳塋、夕暮の古き牧場はなごやかに光黄ばみてうつらちる楡の落葉、そこ、かしこ。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
『空』の世界、『遊化』の寂光土に精進するより外ないのである。
— ――(消息に代えて)―― 『私を語る』 青空文庫
「魔笛」はあんな理由で、問題外だが、吉井氏の数々の戯曲で僕が何時も印象づけられるのは、その扱ふところの「友情問題」である、親んでも、争ふても結局何うすることも出来ない友と友との間の吉井氏が扱ふ詩情豊かな寂光土に僕は十年一日の如く甘美な酒の陶酔感を得る。
— 牧野信一 『なつかしき挿話』 青空文庫
無辺の天や無量海、底ひも知らぬ深淵は憂愁の国、寂光土、また譬ふべし、※耀郷。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
無邊の天や無量海、底ひも知らぬ深淵は憂愁の國、寂光土、また譬ふべし、※耀郷。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
現象即実在、差別即平等、沙婆即寂光土など同一カテゴリイに属する思想で皆詩人の厳定しにくい処であらう。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
現象界の他に世界を認めざる認識論的要求や、またこの土をただちに寂光土と見る禅宗や日蓮宗等の見方や、また天国をこの世界に実現せんとするキリスト教的世界思想の存在にもかかわらず、自分が法然上人の死後に「西方の浄土」を選んで、そこに霊魂の安息処を求めた心持ちに自分が最も心を惹かれるのもそのためである。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫