純明
じゅんめい
名詞
標準
文例 · 用例
長男で朔日生れの太郎であるから、簡単に朔太郎と命名されたので、まことに単純明白、二二ヶ四的に合理的で平凡の名前である。
— 萩原朔太郎 『名前の話』 青空文庫
そうしてその単純明白なモチーフが非常に多面的立体的に取り扱われているために、同じものの繰り返しが少しの倦怠を感ぜしめないのみならず、一歩一歩と高調する戯曲的内容を導いて最後の最頂点に達するまでに観客の注意の弛緩を許さないのであろう。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
兇行に関しては雄太郎君と郵便屋との二人の目撃者があったし、死因が単純明瞭で一目刺殺である事は疑いない事実と判定された為め、女の死体は間もなく却下になった。
— 大阪圭吉 『石塀幽霊』 青空文庫
民法の上にさっそうたる朝風が吹きわたるとして、さて、私たちの毎日の実際で、当事者同士の意志は、そんな単純明朗であり得るだろうか。
— 宮本百合子 『世界の寡婦』 青空文庫
……その聊かも不安もなさげな、彼の話をきいていると、実際、空襲は簡単|明瞭な事柄であり、同時に人の命もまた単純明確な物理的作用の下にあるだけのことのようにおもえた。
— 原民喜 『壊滅の序曲』 青空文庫
……その聊かも不安もなさげな、彼の話をきいてゐると、実際、空襲は簡単明瞭な事柄であり、同時に人の命もまた単純明確な物理的作用の下にあるだけのことのやうにおもへた。
— 原民喜 『壊滅の序曲』 青空文庫
不幸な菅氏は、その良心と正義感と、勇気にかかわらず、自身が客観的なよりどころとし得る単純明白なリアリティーの上に、しっかりと脚をかためて立つ、たたかいの技術を知っていませんでした。
— 宮本百合子 『若き僚友に』 青空文庫
「ロビンソンと彼自身の手で造り出された富を構成する諸物件との間における一切の関係はこの場合きわめて単純明瞭である」 伸子の理解の段階にあえて必要でない引用の固有名詞をとばして、蜂谷良作はつづける。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫