鎧櫃
よろいびつ
名詞
標準
storage chest for a suit of armour and a helmet
文例 · 用例
――正面奥の中央、丸柱の傍に鎧櫃を据えて、上に、金色の眼、白銀の牙、色は藍のごとき獅子頭、萌黄錦の母衣、朱の渦まきたる尾を装いたるまま、荘重にこれを据えたり。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
そして、室の一方には蒲団を畳んで積み、衣類を入れた葛籠を置き、鎧櫃を置き、三尺ばかりの狭い床には天照大神宮の軸をかけて、其の下に真新しい榊をさした徳利を置いてあった。
— 田中貢太郎 『海神に祈る』 青空文庫
よき折から京方に対し、関東の武威をあらはすため、都鳥を射て、鴻の羽、鷹の羽の矢を胸さきに裏掻いて貫いたまゝを、故と、蜜柑箱と思ふが如何、即ち其の昔、権現様戦場お持出しの矢疵弾丸痕の残つた鎧櫃に納めて、槍を立てて使者を送らう。
— 泉鏡花 『妖魔の辻占』 青空文庫
さて、処で、矢を貫いた都鳥を持つて、大島守|登営に及び、将軍家一覧の上にて、如法、鎧櫃に納めた。
— 泉鏡花 『妖魔の辻占』 青空文庫
――武士の這奴の帯の結目を掴んで引釣ると、斉しく、金剛杖に持添へた鎧櫃は、とてもの事に、狸が出て、棺桶を下げると言ふ、古槐の天辺へ掛け置いて、大井、天竜、琵琶湖も、瀬多も、京の空へ一飛ぢや。
— 泉鏡花 『妖魔の辻占』 青空文庫
鎧櫃の保存どころか、私がこれらの創作生活を続けてゐるうちに、そんなものは悉く紛失してゐました。
— 牧野信一 『西部劇通信』 青空文庫
もっと小さい時に、いつも床の間に飾ってあった鎧櫃が、どうしたわけか、二階の真中に引き出してあった。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
僕は何の気なしに鎧櫃の蓋を開けた。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
作例 · 標準
博物館には、古い武将の鎧櫃が大切に保管されていました。
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祖父の家には、使われなくなった鎧櫃が物置の奥にありました。
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時代劇で、鎧櫃から重厚な鎧を取り出す場面が印象的でした。
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