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槍傷

やりきず
名詞
1
標準
文例 · 用例
そうしてお酒を一本飲み、その次はビイル、それからまたお酒という具合いに、交る交る飲み、私はその豪放な飲みっぷりにおそれをなし、私だけは小さい盃でちびちび飲みながら、やがてそのひとの、「国を出る時や玉の肌、いまじゃ槍傷刀傷。
太宰治 酒の追憶 青空文庫
槍傷でもなく、刀傷でもなく、俗にのど笛と称されている首筋の急所を大きくぐさりとえぐりとられて、さながらその傷口はざくろの実を思わするようなむごたらしさでした。
のろいのわら人形 右門捕物帖 青空文庫
――烱々とまなこを光らして、腰から胸へ、胸から首筋へ、そのどろの足跡と、あの疑問の槍傷でもない、突き傷でもない、刀傷でもない不思議なえぐり傷とを、見比べ見ながめ、じっと考えていたが、まことにこの慧眼、この断定こそは、われらが捕物名人むっつり右門にのみ許されるすばらしい眼のさえでした。
のろいのわら人形 右門捕物帖 青空文庫
槍傷、太刀傷、滅茶苦茶だ。
国枝史郎 剣侠受難 青空文庫
二囘の負傷を、一つは腿に槍傷を、一つは腕に深い切疵を受けたけれど、彼は戰鬪に醉ふことのほかには、勇敢な血から湧き出て、單純な人に華かな勇氣を與へ、そして古代の英雄を造り出した一種解き難い酣醉のほかには、何の感じもしなかつた。
PECHEURS D'ISLANDE 氷島の漁夫 青空文庫
マレンゴーでは首に二個所サーベルの傷を受け、アウステルリッツでは右の腕に弾を受け、イエナでは左の腰にやはり弾を受け、フリートラントでは銃剣の傷を受け、それに……モスコヴァでは全身に七、八個所の槍傷を受け、ルーツェンでは榴弾の破片で指を一本くじいた。
LES MISERABLES レ・ミゼラブル 青空文庫
卜斎にいわれたまま、押入れから蒲団をだして、そのうえに身を横たえながら、膝の槍傷を布でまきつけていると、また、すぐ下の土間であらあらしい声が起りはじめた。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
生不動の死骸には、胸板を見事に突き抜かれていた槍傷があった。
吉川英治 剣難女難 青空文庫