絡
らく
名詞
標準
文例 · 用例
格子縞に曲線が螺旋状に絡み付けられた場合、格子縞は「いき」の多くを失ってしまう。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
かうしたイメーヂの聯絡は、極めて飛躍的であり、突拍子もない荒唐のものに思はれるだらうが、作者の主觀的の心理の中では、その二つの言葉をシノニムに結ぶところの、歴とした表象範則ができてるのである。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
しかし従来僕の書いたものは、すべて時々の雑誌に寄せたもので、もとより連絡も体系もない、一時的の断片論にすぎないのである。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
それを受けて「雲に鳥」は、前のフレーズと聯絡がなく、唐突にして奇想天外の着想であるが、そのため気分が一転して、詩情が実感的|陰鬱でなく、よく詩美の幽玄なハーモニイを構成している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
十重に二十重に引ツ絡んで喧嘩の火の手を焚き付け樣と云ふ、江戸ツ子のいらぬ意氣地。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
『いやにじれつたいな、何うにも、恁うにも、恐かないなら、手を地べたに着いて謝罪んねえ、そこへ坐つて、チエツ、意氣地のない青二才だ』「カツ」と痰を吐いたのが、胸の處へベツタリ絡みつく。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
霧はフツ、フツと渦巻く、偃松に白く絡んで、火事場の烟でも立つように、虚空を迷っている、天幕の屋根の筋目から仰ぐと、暗灰色の虚空が壁のように狭くなって、鼻の先に突っ立っている、雨と知りながらも、手を天幕の外へ出すと、壁から浸染み出る小雨に、五本の指が冷やりとする、眼がやっと醒める。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
ヨブは自己の語る所が風の如く秩序も聯絡もなくして、取るに足らぬものなることを自認していたのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫