破落
はらく
名詞
標準
文例 · 用例
可哀相でね、お金子を遣って旅籠屋を世話するとね、逗留をして帰らないから、旦那は不断女にかけると狂人のような嫉妬やきだし、相場師と云うのが博徒でね、命知らずの破落戸の子分は多し、知れると面倒だから、次の宿まで、おいでなさいって因果を含めて、……その時|止せば可かったのに、湯に入ったのが悪かった。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
」 時に、勿体ないが、大破落壁した、この御堂の壇に、観音の緑髪、朱唇、白衣、白木彫の、み姿の、片扉金具の抜けて、自から開いた廚子から拝されて、誰が捧げたか、花瓶の雪の卯の花が、そのまま、御袖、裳に紛いつつ、銑吉が参らせた蝋燭の灯に、格天井を漏る昼の月影のごとく、ちらちらと薄青く、また金色の影がさす。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
だが処もあろうのにここは非道いや、もうおいら達あ、姉御が世話をする婦人だから指一本もさしもせず、またささしもしねえが、煎詰めた破落漢ばかり集る処へどういう気だろう。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
」と声|嗄るるまで触流すを、ござんなれと待居たる、究竟の破落漢、軒下あるいは塀の蔭よりばらばらと飛出して、お使番を引僵し、蹴って踏んで撲わして、「此奴等、人を乞食にしやあがる。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
中田屋の亭主の死は果して牡丹餅の中毒であるかどうか、それは解き難い疑問であるが、少くもそれから糸を引いて、千鳥の女房お兼と破落戸漢の虎七とが変死を遂げたのは事実であった。
— 岡本綺堂 『廿九日の牡丹餅』 青空文庫
僕は、チチコフの買った農奴が大泥坊で、しようのない飲んだくれで、手のつけられない破落戸でなかったら、この首を賭けてもいいねえ。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
しやうのない破落戸野郎め!
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫
」「あれだよ、この人には、ただもう、呑助か破落戸でさへありやあ性に合ふんだからね。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫