押し重なる
おしかさなる
動詞
標準
文例 · 用例
水はやや風立ったのか、小波がしびれを打って、丘もポプラも村の白壁も、そしてそのすべての上に押し重なるあの雲の影も、一様に融けて、ただ一と色の淡い紅色が、湖水のまん中を西北から東へかけて、帯のように流れてゆく。
— 辻村伊助 『スウィス日記』 青空文庫
お静の悲鳴は、八五郎もその同勢も、確かに格子の外で聴き、それからたばこ一服の時も経たないうちに、六人は押し重なるように雪崩れ込んだのです。
— 怪盗系図 『銭形平次捕物控』 青空文庫
そしてノースフリートの煙突、グレーヴセンドの押し重なる屋根、人口稠密の投錨所や、見えかくれにうずくまる砲台を後にしてローワーホープを出ると、しだいに眼界が開けて、青い繻子をひろげたような海が前方に見えだした。
— THE ECHO OF A MUTINY 『歌う白骨』 青空文庫