秘めやか
ひめやか
形容動詞
標準
secret
文例 · 用例
錫杖の仕込刀を左手に提げて足音秘めやかに方丈を忍び出で、二人を求めて跣足のまゝ本堂の周囲を一めぐりするに、本堂の階段の下に微かながら泥の跳ね上りし痕跡あり。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
それはもう何とも彼ともいえない秘めやかな高貴な芳香が、歯の根を一本一本にめぐりめぐって、ほのかにほのかに呼吸されて来る。
— 夢野久作 『狂人は笑う』 青空文庫
海は月出の前で秘めやかに白んでいた。
— 横光利一 『花園の思想』 青空文庫
白い霧に更けた街路に、蟻も逃さぬ非常線が張りつめられ、濡れた舗道を踏んで、人の靴音は秘めやかに鳴った。
— 牧逸馬 『女肉を料理する男』 青空文庫
「健康状態に在ってわれわれが自己の奥底の声に耳をすますとき、秘めやかな、甘美な歌というべきものが聞える。
— 中井正一 『スポーツの美的要素』 青空文庫
と庭に犬を叱る低声とともに、コトコトコトと秘めやかに雨戸が鳴って、「おい!
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
しいんと世間はしずまりかえって夜の呼吸が秘めやかに忍びよってきていた。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
微妙な線、こまやかな濃淡、魔力ある抑揚、秘めやかな諧調、そういう技巧においてもまた、私の生まれつきのうぬぼれは製作によって裏切られる。
— 和辻哲郎 『生きること作ること』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は秘めやかな恋心を胸に抱いていた。
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その店の奥には、秘めやかな個室が用意されている。
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彼の生活には、誰にも知られていない秘めやかな趣味があるようだ。
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