槿
槿
名詞
標準
文例 · 用例
ただ、木槿だけは、きらいです。
— 太宰治 『めくら草紙』 青空文庫
やがて足駄の歯入、鋏磨、紅梅の井戸端に砥石を据ゑ、木槿の垣根に天秤を下ろす。
— 泉鏡花 『草あやめ』 青空文庫
木槿、木槿にても相分らず、木槿なり。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫
露の木槿ほの紅う、茅屋のあちこち黒き中に、狐火かとばかり灯の色沈みて、池子の麓砧打つ折から、妹がり行くらん遠畦の在郷唄、盆過ぎてよりあはれさ更にまされり。
— 泉鏡花 『逗子だより』 青空文庫
この境内とその庭とを、広岡の継母は一重の木槿垣をもて隔てたり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
朝霧淡くひとつひとつに露もちて、薄紫に蘂青く、純白の、蘂赤く、あわれに咲重なる木槿の花をば、継母は粥に交ぜて食するなり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
梨の核を絞りし汁も、木槿の花を煮こみし粥も、汝が口ならば旨かるべし。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
姉上に逢わむとて木槿垣に行く途、まず一人物干棹をもて一文字に遮り留む。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫