霊岸
れいがん
名詞
標準
文例 · 用例
「月に一度、霊岸島から五十石積が出るッてますが、三十八里、荒海で恐ろしく揺れるんですってね。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
豊海橋より一石橋に至るの水路の中、南西に岐れて霊岸島と亀島町との間に去るものは、新亀島橋亀島橋及び高橋の下を下りて本澪に入り、兜町地先にて岐れて南西に去るものは、兜橋海運橋久安橋その他諸橋の下を過ぎて京橋川に合す。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
那古は那古観音で名が高く、霊岸島から船で来る東京人も多かった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
「子供の時分にいた房州の海が見たくなったから、二三日行って来ると言って、昨夜霊岸島から船で行きましたよ。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
霊岸島の方で、太い汽笛の声などが聞えた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
而して今霊岸島の屋根瓦の波の上にくるくると落ちかかる真赤な太陽の光を凝と眺めて居る。
— 北原白秋 『桐の花』 青空文庫
このころは霊岸島の鹿島屋清兵衛が蔵書を借り出して来るのである。
— 森鴎外 『安井夫人』 青空文庫
「霊岸島の自殺」や「船室」の前半の如きは、その方面のいい作例と見て差支ないでしょう。
— 夏目漱石 『木下杢太郎著『唐草表紙』序』 青空文庫