常式
じょうしき
名詞
標準
文例 · 用例
佃煮と煮豆と漬菜という常式である。
— 伊藤左千夫 『水籠』 青空文庫
財政の一方より論ずれば、常式の官職もなきものへ毎年若干の金をあたうるは不経済にも似たれども、常式の官員とて必ずしも事実今日の政務に忙わしくする者のみに非ず。
— 福沢諭吉 『学問の独立』 青空文庫
つまり、宮廷自身にあつた事が、臣下に移り、臣下に於いて栄えて、更に宮廷に戻ると云ふ、古代信仰の常式をとつたのである。
— ――その基礎論―― 『日本文学の発生』 青空文庫
土蔵の壁には常式通りに大きな貝折釘がうち込んである。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
これまでの常式では、野辺地の郡代官に引継げば、それでわれわれの役目がすむのだが、こんなところまでついてきたのは、しょうしょう、おねがいの筋があるからだ。
— 久生十蘭 『ボニン島物語』 青空文庫
捜査局では専任を二人出して、常式通りの捜査にあたらせた。
— 久生十蘭 『悪の花束』 青空文庫
船頭宿の常式どおり、帆綱や漏水桶や油灯などが乱雑につみあげられた広い土間からすぐ二十畳ばかりの框座敷になり、二カ所に大きな囲炉裏が切ってある。
— 遠島船 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
子供が絵解きをしやしまいし、そんなことぐらいは改まって言うがものはねえ、わかり切った話だ」 ひょろ松は、頸へ手をやって、「あまり常式でお恥ずかしいんですが、それというのは、あなた方おふたりが、加代姫が入って来たところを見たなんてえことを知らなかったから。
— かごやの客 『顎十郎捕物帳』 青空文庫