衣紋竿
えもんざお
名詞
標準
文例 · 用例
おくみはお脱ぎになつたお羽織をそつと衣紋竿にかけて置いた。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
武田麟太郎へおゝ、吾が友よ高邁なる精神の見本そのものよ、羽織の下に衣紋竿を背負つてゐるだらう、肩をいからし『燕雀、何ぞ大鵬の志を知らんや』と呟きつゝ銀座を歩いてゐる果して彼は燕雀なりや、大鵬なりや、神さまだけがそれを知つてござらう。
— 詩集(11)文壇諷刺詩篇 『小熊秀雄全集-12』 青空文庫
こんなことは雛形にない」 と私がいうと、「どうも、こうずう体が大きくては見当がつきません」 仕事師も、大工も途方に暮れているという有様……そこでこのままでやられた日には衣紋竿を突張ったような大仏が出来ますから、私は仕事師、大工の中へ入って一緒に仕事をすることに致しました。
— 高村光雲 『佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし』 青空文庫
うちの廊下の衣紋竿には国男さんの冬のトンビがかかっていて、いつの夜中にでもそれ!
— 一九四二年(昭和十七年) 『獄中への手紙』 青空文庫
すみません」 おむらは、馴れない者はびっくりするような年に不似合な若やぎで、茶色の足袋をはいた足をまめに動かして、みほ子の脱いだものを衣紋竿にかけ、帯を片よせ、チャブ台を長火鉢の横へ立てた。
— 宮本百合子 『道づれ』 青空文庫
ひろ子は、みんなどけてそれを衣紋竿につるした。
— 宮本百合子 『風知草』 青空文庫
こんなことは雛形にない」と私がいうと、「どうも、こうずう体が大きくては見当が附きません」 仕事師も、大工も途方に暮れているという有様……そこでこのままで、やられた日には衣紋竿を突っ張ったような大仏が出来ますから、私は仕事師、大工の中へ這入って一緒に仕事をすることに致しました。
— 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
まず枕もとに置いてあるものからかたづけ、次にぬいだねまきなどを衣紋竿にかけて日光にあて、まわりに何もなくなったところで、丁寧に夜具をたたんで、きまりどおりに順序よくしまうこと。
— 羽仁もと子 『女中訓』 青空文庫